2022年4月27日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第678話「ガッツリやらないと」

(次回は5月4日更新です)

2022年4月20日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第677話「いいお名前です皆さんに覚られやすい」

(次回は4月27日更新です)

2022年4月13日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第676話「棚」

(次回は4月20日更新です)

かんさつ日記第659話を読む

2022年4月6日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第675話「熱量」

(次回は4月13日更新です)

かんさつ日記第648話を読む

2022年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」
第17回 『マトリックス』の思い出

第17回『マトリックス』の思い出

『マトリックス レザレクションズ』を観た。前作が公開されたのが18年前、内容をほとんど覚えていない状態で劇場へ行った。序盤、キアヌ演じるアンダーソンは、「マトリックス」三部作という伝説的ゲームを作ったクリエイターとして生活している。親会社ワーナーの意向で「マトリックス」の新作を今更作ることになるアンダーソン。映画『マトリックス』の映像がフラッシュバックとして度々挟み込まれ、ゲームは現実だったのでは、という妄想に悩まされるアンダーソンの日々が描かれる。言うまでもなく、監督自身の話が投影されている。映画全体は、説明的なセリフが多く正直退屈だったのだけど、このメタなくだりは最高だった。僕自身『マトリックス』の記憶がぼんやりしているので、フラッシュバックのシーンに、「何か思い出しそう」という実感が伴って楽しかった。実際、映画を観ながらすっかり忘れていたある記憶がよみがえったのだ。
『マトリックス』公開当時僕は大阪に住んでいて、デビュー間もない新人漫画家だった。友達も少なく恋人もいない寂しい毎日を過ごしていた僕は、「じゃマール」という雑誌で出会いを求めることにした。じゃマールとは、今で言うマッチングアプリみたいな使い方ができる雑誌だ。同い年の女性と知り合い、初デートで映画を観ることになった。それが『マトリックス』だ。僕はひとりテンションが上がり、前日ロケハン的に映画館のある天王寺へ行き、そのままなぜか予習的に『マトリックス』も観た。めちゃくちゃ面白くて、デート中すでに観たことがバレないよう振る舞わねばと心配したくらいだ。当日現れた彼女は、ボーイッシュなファッションの大人しめな女性で、映画の受けはいまいちだった。お互い緊張して上手く喋れない感じだ。フェスティバルゲートという娯楽施設内のシアターで、映画の後いくつかのアトラクションを楽しんだ。というか楽しもうとするも、やはりお互いぎこちなさが隠せず、「楽しいですね・・・」みたいな白々しい会話がぽつりぽつり続く。帰り道、いい雰囲気が作れなかったことに自己嫌悪を覚えた。彼女とはその後数回会ったが、会うたびにみじめな気持ちになり、何事もなくフェードアウトしてしまった。
『マトリックス レザレクションズ』の鑑賞中フラッシュバックしたのは、その時の断片的な記憶だ。すっかり忘れていた。フェスティバルゲートは、こじんまりした遊園地のような施設だ。今はもう存在しない。例のデートの日は平日だったせいか自分たち以外客がほとんどいなかった。思い出として突如出現した、閑散とした遊園地の風景。現実感が希薄で、夢の中の記憶によく似ている。彼女もデートも僕の妄想なのかもしれないと、思うこともできる。未熟だった自分を振り返るための、大事な思い出にすることもできる。映画を観ながらそんなことを考えた。

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