2021年12月22日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第661話「安心しました」

(次回は12月29日更新です)

2021年12月15日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第660話「コレクション体質」

(次回は12月22日更新です)

かんさつ日記第486話を読む

2021年12月8日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第659話「オシャレの定義」

(次回は12月15日更新です)

2021年12月1日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第658話「でもW田さんは竹書房歴が長いので周囲の机の乱雑さには慣れてると思います」

(次回は12月8日更新です)

かんさつ日記第550話を読む

2021年12月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」
第13回 喧騒セリフが難しい

第13回「喧騒セリフが難しい」

映画を観ていると、たまに喧騒を表す演出で、物音と重ねて複数のモブによる断片的な会話が入れられるシーンがある。例えば居酒屋だとすると、ガヤガヤした音を背景に「生ふたつ!」「メール見た?」「部長がさー」「タクシー呼んだから」「わはははは!」みたいな。僕も漫画でそういった場面を描くことがあるが、適切なセリフを作るのが苦手だ。なので映画で喧騒シーンが来ると注目してしまう。
カフェや商店街や教室や駅のホームで聞こえてくる衆人たちの会話を、状況に合わせていくつものパターン考えるのはかなり面倒臭い。自分のセンスが隠しきれず、多様な人々を描写するはずが全員似たような奴になってしまいがちだ。かと言ってセンスを封印して、居酒屋の例で出したような類型セリフや「昨日のバラエティ番組見た?」みたいな固有名詞を消した嘘くさいやり取りは書きたくない。自分の場合、実際に街で聞いたセリフを割とそのまま使うのだけど、シチュエーションの幅にも限界がある。ちなみにリアリティを持たせるには、気が利いていたり、印象的なセリフは避けた方が良いと思う。世の中で交わされる会話のほとんどは、他人からすれば面白くないし印象に残らないからだ。喧騒とはそういうものだ。「面白くなさ」の多様さが世界を豊かに見せてくれる。
リアルであれば良いというわけでもない。喧騒セリフとは、その場所の雰囲気を伝える目的で入れられる。場合によっては、時代や社会全体の空気を会話の断片で表現したりもする。あるいは、そこにいるキャラクターの内面を反映させることもある。考えれば考えるほど難しい。
ここまで書いて、いい感じの喧騒セリフが出てくる映画を具体的に挙げようと思ったのだけど、何も思いつかなかった。記憶力の問題もあるが、印象に残らないからこその喧騒セリフなわけで、覚えているはずもない。
今、サイゼリアでこの文章を打っているので、試しに喧騒に耳を傾けてみる。「ああ、楽天ペイ」「やばいよ、ビビった」「それじゃなきゃ意味がない」「超迷惑でしょ」「え、大盛り? それ」「このカタチ面白い」「10月4日がワクチン2回目だからー」「なんか欲しいものある? 何系?」「香水は使わない」
席の関係で聞き取りづらく、拾えたのはこれくらいだ。「面白くなさ」は十分だが、ほぼ使い物にならない。まず、色々と文脈が見えなさ過ぎる。何の話をしているのかぼんやり想像できそうな断片が望ましい。話題については、ワクチン云々は世相を表していて良い線行っているが、説明臭いのが惜しい。最後のふたつは、女子高生二人組による誕生日プレゼントの話だ。これは悪くないかもしれない。いずれにしても、サイゼリアの空気を上手く伝えられるものにはなっていない。
空気を伝える表現として、ネットの掲示板やSNSの画面を使うパターンもある。これもある種の喧騒だ。そして漫画内でそれを描くのも当然苦手だ。SNSの場合、書き込み内容だけでなく、それらしいアイコンやアカウント名まで考えなくてはいけない。激ムズだ。映画でネット喧騒シーンがあると、自宅であれば一時停止して細かく見てしまう。
映画を観ていて気になるシーンは、人それぞれ違うのだろうけど、自分の場合「喧騒」がそのひとつだという話。

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