2022年5月11日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第679話「独特の」

(次回は5月18日更新です)

2022年5月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」
第18回 映画語りについて

第18回 映画語りについて

映画を観るのも好きだけど、映画語りを聴くのも好きだ。YouTubeやPodcastにあるレビュー動画や音声を、作業中よく聴いている。ネタバレはそれほど気にしないが、影響されやすいので映画を観る前にその作品の語りはなるべく聴かない。観た後でも、自分にとって大切な作品だった場合は、あまり語りを聴く気が起きない。感想が上書きされそうで怖いからだ。ある程度時間を置いて、作品に対する自分の感情や解釈が体の一部になるくらい固まってから聴くようにしている。好きでも嫌いでもない映画をぼんやり観た後、その作品に熱を持っている人の解説を聴くのがオススメだ。作品の解像度がグングン上がっていく感覚が心地良い。結果どうでもいい映画が、好きになったり嫌いになったりする。
先日『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』をぼんやりと観た。大満足のエンタメ作品だった。最近のMCUには全然思い入れがないから、早速ネットに数多あるレビューを聴いてみる。うなずかされる語り、ピンとこない語り、色々ある。並行世界から来たヴィランに対して「悪を治療する」展開は悪を単純化していてよくない、みたいな批判を聴き、なるほどと思う。そう言われると、観ている間モヤモヤしていた気がしてくるから不思議だ。続けて肯定的な語りを聴く。マルチバースという設定を使って過去のスパイダーマン作品を救う構造を絶賛していた。自分も同意見だったが、細かく言語化されるとスッキリする。やはり良い映画だ。とはいえ批判意見の説得力もあり、自分の中ではそこそこ良かったに落ち着いた。落ち着ける必要は特にないのだけど。この一連のムーブは投票行動によく似ている。他人の意見を参考に作品をジャッジして、賛否の「賛」に一票入れたのだ。そして同時に、作品語り自体もジャッジしている。面白い映画語りはチャンネル登録するし、そうでないものは二度と聴かない。
SNSでの行動が投票に似てしまうのは、いいねや再生回数、チャンネル登録、あらゆる評価が得票数のように数値化されるせいだろう。SNSの外でも同じだ。単行本を出せば、アマゾンのレビュー数や星の数、ランキング順位、読書メーターの登録数、諸々生々しく数値化される。作者は「清き一票を!」と宣伝ツイートをしまくり、反応やリツイート数を見て一喜一憂する。評価する側も、言及した時点で映画語りチャンネルと同じくジャッジされる。肯定派と否定派の争いに巻き込まれ、言葉を誤れば最悪炎上しかねない。誰も安全圏にいないのだ。
このコラムも、ある意味映画語りだ。次回も読むかどうか、毎回ジャッジされる。ただ漫画連載ほど緊張感はない。本業じゃないという言い訳が用意されているし、自分語りへの照れもあってひっそりやっているからだろう。なぜかずっと続いている。

2022年4月27日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第678話「ガッツリやらないと」

(次回は5月4日更新です)

2022年4月20日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第677話「いいお名前です皆さんに覚られやすい」

(次回は4月27日更新です)

2022年4月13日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第676話「棚」

(次回は4月20日更新です)

かんさつ日記第659話を読む

2022年4月6日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第675話「熱量」

(次回は4月13日更新です)

かんさつ日記第648話を読む

2022年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」
第17回 『マトリックス』の思い出

第17回『マトリックス』の思い出

『マトリックス レザレクションズ』を観た。前作が公開されたのが18年前、内容をほとんど覚えていない状態で劇場へ行った。序盤、キアヌ演じるアンダーソンは、「マトリックス」三部作という伝説的ゲームを作ったクリエイターとして生活している。親会社ワーナーの意向で「マトリックス」の新作を今更作ることになるアンダーソン。映画『マトリックス』の映像がフラッシュバックとして度々挟み込まれ、ゲームは現実だったのでは、という妄想に悩まされるアンダーソンの日々が描かれる。言うまでもなく、監督自身の話が投影されている。映画全体は、説明的なセリフが多く正直退屈だったのだけど、このメタなくだりは最高だった。僕自身『マトリックス』の記憶がぼんやりしているので、フラッシュバックのシーンに、「何か思い出しそう」という実感が伴って楽しかった。実際、映画を観ながらすっかり忘れていたある記憶がよみがえったのだ。
『マトリックス』公開当時僕は大阪に住んでいて、デビュー間もない新人漫画家だった。友達も少なく恋人もいない寂しい毎日を過ごしていた僕は、「じゃマール」という雑誌で出会いを求めることにした。じゃマールとは、今で言うマッチングアプリみたいな使い方ができる雑誌だ。同い年の女性と知り合い、初デートで映画を観ることになった。それが『マトリックス』だ。僕はひとりテンションが上がり、前日ロケハン的に映画館のある天王寺へ行き、そのままなぜか予習的に『マトリックス』も観た。めちゃくちゃ面白くて、デート中すでに観たことがバレないよう振る舞わねばと心配したくらいだ。当日現れた彼女は、ボーイッシュなファッションの大人しめな女性で、映画の受けはいまいちだった。お互い緊張して上手く喋れない感じだ。フェスティバルゲートという娯楽施設内のシアターで、映画の後いくつかのアトラクションを楽しんだ。というか楽しもうとするも、やはりお互いぎこちなさが隠せず、「楽しいですね・・・」みたいな白々しい会話がぽつりぽつり続く。帰り道、いい雰囲気が作れなかったことに自己嫌悪を覚えた。彼女とはその後数回会ったが、会うたびにみじめな気持ちになり、何事もなくフェードアウトしてしまった。
『マトリックス レザレクションズ』の鑑賞中フラッシュバックしたのは、その時の断片的な記憶だ。すっかり忘れていた。フェスティバルゲートは、こじんまりした遊園地のような施設だ。今はもう存在しない。例のデートの日は平日だったせいか自分たち以外客がほとんどいなかった。思い出として突如出現した、閑散とした遊園地の風景。現実感が希薄で、夢の中の記憶によく似ている。彼女もデートも僕の妄想なのかもしれないと、思うこともできる。未熟だった自分を振り返るための、大事な思い出にすることもできる。映画を観ながらそんなことを考えた。

2022年3月30日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第674話「通じ合いました」

(次回は4月6日更新です)

2022年3月23日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第673話「心配」

(次回は3月30日更新です)

かんさつ日記第590話を読む

2022年3月16日 [オリジナル4コマ]

柘植文の編集部かんさつ日記 第672話「F塩さんの食生活については590話などをご覧ください」

(次回は3月23日更新です)

かんさつ日記第590話を読む

かんさつ日記第661話を読む

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