2016年1月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第95回 ピクセル

第95回「ピクセル」

予告を最初に見た時から「何だこりゃ!?」と、釘付けになった異色過ぎる地球侵略物。80年代の人気ゲームキャラが、ドット絵のニュアンスのまま立体化&巨大化して攻めてくる。試写会の帰り道に「……夢?」と思い返してしまうような、摩訶不思議な映像体験だった。
モチーフになっているビデオゲームだけでなく、作品全体のノリがレトロだ。最近のアクション映画のようにカメラを執拗にぐるぐる回したりしないし、カチャカチャ目まぐるしく切り替えたりもしない。3Dで観ている観客への負担が少ないため、3D苦手な自分にとっては理想的だった。基本的には脳天気なアクションコメディなので、シナリオに急な鬱展開もなく、疲れず楽しめるファミリームービーに仕上がっている。

実際、制作サイドが「80年代の映画のような、アクションと笑いの絶妙な融合を目指した作品」だそうで、『グレムリン』『グーニーズ』の脚本や『ホーム・アローン』を手掛けたクリス・コロンバスが監督をしている。ノスタルジックな雰囲気を持ちつつも、最新の映像技術で新鮮な驚きを与えてくれる、独特な映画だ。そういう意味でも「……夢?」って感じだった。
映画内で登場するゲームの多くを、後になってファミコンでプレイしていた世代なので、思い入れは強くないが、見知ったキャラがニューヨークで暴れまわる光景はシュールで印象的だ。それこそ『ゴーストバスターズ』のマシュマロマンを目にした時のインパクトを思い出した。
全体を通して突っ込みどころの多い作品なので好き嫌いは分かれそうだけど、 個々のギャグは嫌味がなく素直に楽しめたし、他にないディザスター映画として、一見の価値はあると思う。
同じくレトロゲームをテーマにした『シュガー・ラッシュ』に顔を出したQバートが、本作でもより重要な役どころで登場する。Qバートは、向こうのゲームファンに相当愛されているらしい。

hitokoma92

●監督:クリス・コロンバス ●出演:アダム・サンドラー、ミシェル・モナハン、ケヴィン・ジェームズ、ジョシュ・ギャッド、ピーター・ディンクレイジ ●上映時間:105分 ●配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 

【イントロダクション】
1982年―NASAが宇宙に向けて「友好」のメッセージを発信した。―しかし2015年、そのメッセージは大きな誤解を招き、彼らはゲームキャラに姿を変え我々人類に襲い掛かる。全てをピクセル化させ、ブロック状にボロボロと破壊してしまう攻撃に、ピコピコと崩壊する世界…。この最大の危機を乗り越えるため米国大統領が考えた秘策、それは1982年当時のビデオゲームのチャンピオン達を集め、彼らに対抗することだった。ゲームオタク vs 80年代ゲームキャラ、今「決戦」がスタートする!

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