2009年7月23日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第13回センター・オブ・ジ・アース

第13回「センター・オブ・ジ・アース」

 子供の頃、飛び出す絵本が大好きだった。高価だった為なかなか買ってもらえなかったので、本屋に連れて行ってもらった時ボロボロになったサンプルをいつまでもいじり回していた。平行法やら交差法やらで立体視できるCG集が流行った時も、毎日のように本屋に通って頭痛がするまで飛び出し具合を堪能した。ホログラムのシールも好きだった。ビックリマンシールを集めていて、「魔肖ネロ」という、顔の部分がホログラムで印刷されたレアシールを宝物にしていた。いつも顔部分を指で触っていた。よくわからないが魔肖ネロになりたいとさえ思った。とにかく僕は「飛び出てくる(ように見える)物」が大好きだった。今も好きだ。
 本作「センター・オブ・ジ・アース」は、そんな僕の「飛び出て見える欲」を十分満足させてくれる3D映画だ。映画というよりもアトラクションに近い。
 迫力ある映像で観客に疑似体験させるアトラクション型ムービーを観ていると、「元々、『映画』ってこういう物だったんだろうな…」と思えてくる。こういうタイプの映画は、できるだけ大きなスクリーンで観るべきだ。
 逆に、セリフや演出から自分なりに解釈を楽しむタイプの言語的で知的な映画は、スクリーンのサイズがでかくなればでかくなる程、でっかいフォントで難読漢字を読まされてるような気分になる。「ほら!でかいから読めるでしょ!」みたいな、馬鹿にされてる気分だ。大スクリーンの劇場で、小難しい地味な文芸作品を頭をひねって観るのは、考えようによっては奇妙な行為なのかもしれない。そんな事まで考えてしまった。
 この作品は、映画というメディアが本来持つ見世物小屋的な楽しみ方を思い出させてくれる。「トロッコ速えー!」「気持ち悪い魚飛び出てきた!」「恐竜出たー!怖えー!」と脊髄反射的リアクションをしながら、シームレスに童心に帰っていく。子供の頃の自分に見せてあげたい、と素直に思った。
 映画を観るとき眼鏡をかけてるので、眼鏡の上から3Dメガネをかけていたのだが、「眼鏡という真面目アイテムと、3Dメガネという非真面目アイテムが、がっちりと手を組んだ…!!」って思って、ちょっと気持ちが盛り上がった。

監督●エリック・ブレヴィグ
出演●ブレンダン・フレイザー、ジョシュ・ハッチャーソン、アニタ・ブリエム、セス・マイヤーズほか
上映時間●92分 配給●ギャガ・コミュニケーションズ
【イントロダクション】
アイスランドで地質学の調査を行っていた科学者トレバーと甥っ子ショーン、地元ガイドのハンナは、洞窟の中に突然閉じ込められてしまう。脱出する道を求め地球の奥深く、地底160?の世界を旅しながら、3人は巨大な恐竜や未知の植物、磁力で浮かぶ不思議な岩場、荒れ狂う大自然の猛威などに次々と遭遇。さらに地底の火山活動が活発化。急いで地上に戻る道を見つけねば!?

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