2015年11月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第93回 マッドマックス 怒りのデス・ロード

第93回「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

「マッドマックス」シリーズは、リアルタイム世代ではないので、今回30年ぶりの続編と聞いても、自分は大きな感慨もなく若干冷めた態度だった。
が、結論から言うと、とにかく凄い映画だった。従来からのファンであろうとなかろうと無関係に度肝を抜かれる、滅茶苦茶な映画。果てしない熱量を持った狂気と暴力の宴が、猛スピードで激突してくるような、何を言ってるのか自分でもよくわからなくなるくらい、衝撃的な怪作だった。

物語は、文明崩壊後の世紀末的世界で、カルト集団からなりゆきで女たちと逃亡することになった主人公マックスの話…と言っても、ストーリーも糞もなく、ひたすら2時間荒野でハードなカーチェイスし続けるノンストップアクションだ。ただそれだけなのに「やべえ!やべえ!」が持続して全く退屈しない。砂嵐と炎の中、舞い上がる無数の車を前に、サブキャラのニュークスが「今日は最高の日だ!」と叫ぶシーンは感動すら覚えた。
マックスの敵役、カリスマ的支配者イモータン・ジョーの狂人的センスや、登場する武装カーの凶暴なデザイン、世界観を構築するひとつひとつが素晴らしい。無秩序で退廃的で、でも美意識があって、槍ひとつ取っても説得力を感じさせる。アクションは、CGを出来る限り排除していて、生々しいド迫力のクラッシュシーンが絶え間なく展開する。監督は前作までと同じジョージ・ミラー。70歳と聞いて衝撃を受けた。作品の発する爆発的なエネルギーは、若々しいどころではなかったし、何より映像のテンポが異常に早く、30代後半の自分ではついていけない程だ。しかも3部作になるらしく、こんなパワフルな作品が後ふたつとか、タフガイすぎる。
吹き替えが芸能人で、それを知ったファンの一部から不評を買っているけど、マックスは無口だし、セリフがなくても関係ないくらいシンプルな話なので、世界観を優先するためにも字幕で観ることをオススメしたい。

hitokoma90

●出演:トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース=バーン/ゾーイ・クラビッツ ●上映時間:120分 ●配給:ワーナー・ブラザース映画 

【イントロダクション】
石油も、そして水も尽きかけた世界。主人公は、愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえている元・警官マックス。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕われたマックスは、反逆を企てるジョーの右腕フュリオサ、配下の全身白塗りの男ニュークスと共に、奴隷として捕われた美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する。凄まじい追跡、炸裂するバトル……。絶体絶命のピンチを迎えた時、彼らの決死の反撃が始まる!(R15+)

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