2013年4月10日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第63回 レッド・ライト

第63回「レッド・ライト」

「結末は誰にも話さないで下さい」系の映画は、不幸だ。話題にする時、結末以外の事はあまり語ってもらえない。しかも最初に「でかいオチがありますよ!」と言ってくるもんだから、上映中そればっか気になってしまう。
ハードルを上げまくった結果、結局スカッとしないまま帰るっていうのが王道パターンだ。しかし、そんな見世物小屋的な映画が、僕は大好きだったりする。極端な話オチなんて無くても、最後まで緊張感や興味を持続させてくれたら、それで満足してしまう。
本作「レッド・ライト」もそれ系の映画だ。オチに関しては、期待値を上げ下げしたくないので触れないが、それよりもそれぞれのキャラクターや演出、そもそもの設定が面白く、終始ニンマリ出来た。

30年ぶりにメディアに帰ってきた、ユリ・ゲラー的な伝説の超能力者シルバーと、超常現象を否定する科学者達。その対決ってだけでも、「ほこ×たて」的でワクワクする。こんなバラエティ番組みたいな設定でありながら、内容は飽くまでも超シリアスかつサスペンスフル。こういう映画は、真剣であればある程良い。
物語はシンプルで、超能力者シルバーの存在に主人公トムがひたすら翻弄される。話がシンプルな分、キャラの描写が丁寧で入り込みやすい。キャスティングも全員ハマリ役で、特に最近「宇宙人ポール」「キャビン」と、良い意味で変な映画に連投されるシガニー・ウィーバーが、個人的に「今来てる感」があって印象的だった。
監督は、タイトなルールの中で映画を成立させた「リミット」のロドリゴ・コルテス。同じくタイトなルールから映画を成立させてる「メメント」や、本作のような奇術師系どんでん返し映画「プレステージ」を撮ったノーランを思い出した。一般的には「リミット」も本作もマイナーな位置づけの映画かもしれないけど、そういう訳で将来的には凄い作品を作るんじゃないかと、勝手に期待している。


●監督/脚本:ロドリゴ・コルテス ●出演:キリアン・マーフィー、シガニー・ウィーバー、
ロバート・デ・ニーロ、エリザベス・オルセン、トビー・ジョーンズ、グレイグ・ロバーツほか 
●上映時間:113分 ●配給:プレシディオ

【イントロダクション】
科学者のマーガレット・マシスンとトム・バックリーは、超常現象を科学の力で解き明かすべく研究の日々を送っていた。そんな折、30年前に引退した伝説の超能力者サイモン・シルバーが復帰するというニュースが。実は以前、マーガレットはシルバーに挑み、癒えぬ傷を負った過去を持っていた。それを知ったトムは、全てを解き明かすため単独でシルバーのショーに乗り込む決意をする。シルバー復活の裏に隠された、真っ赤な嘘と真実とは…。

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