2012年2月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第49回 カウボーイ&エイリアン

第49回「カウボーイ&エイリアン」

「スカイライン」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と続いて、今回も異星人侵略物だ。ただ舞台が1873年のアメリカ西部で、コレまでとは全然違った切り口のSF映画になっている。

物語の始まりはとてもシンプルだ。流れ者の主人公(ハンサムでぶっきらぼうで凄腕)が、小さな田舎町で小悪党相手にトラブルを起こす。周りからは厄介者扱いされてしまうも、一人の美女からは強い関心を持たれる。出だしから超王道の西部劇だ。王道なだけに、入り込みやすい。
それから諸々あって、町が UFOに襲われる。突然ド派手なSF映画の様相を呈してくるのだけど、急な展開の割に、不思議と見ていて無理を感じない。それには理由がある。この作品はエイリアン物でありながら、物語や見せ方は西部劇そのままなのだ。
ならず者(エイリアン)に囚われた家族や恋人を、カウボーイ達が救いに行く。そこに軍隊や大統領は登場しない。飽くまでもミニマムな世界観の中で、西部のガンマン達を描いていくのだ。 
演出も、至るところで西部劇に寄せている。例えばエイリアン達は、UFOから投げ縄のような物で人々を捕まえていく。そして暴れ馬で引きずるように、UFOで空中を引っ張り回す。
他にも、馬から馬車の幌に飛び移るように、UFOに飛び移る場面もある。かつて見た事の無いシーンなのに、「待ってました!」って感じで興奮できるのだ。
ウェスタン物と異星人侵略物。全く異なるジャンルでありながら、上手く一つのエンタメ作品に作り上げていて、楽しく観る事が出来た。
北欧バイキングとエイリアンの戦いを描いた「アウトランダー」という映画もあるし、日本でも、その昔流行ったゲーム「平安京エイリアン」を映画化して欲しいとか、ぼんやり思ったのだ。


●監督:ジョン・ファブロー
●出演:ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリヴィア・ワイルドほか。
●上映時間:1時間58分
●配給:パラマウントピクチャーズ ジャパン

【イントロダクション】
1873年、アリゾナ。記憶をなくした一人のカウボーイが目を覚ます。男の手にはめられたのは謎めいた銀の腕輪。彼の正体はいったい何者なのか? そして西部の町の夜空に、突如として青い閃光が走り出す。それは想像を絶する驚異の“敵”だった。この秋、かつて誰もみたことのない驚愕の戦いが、ついに始まる…。

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