2012年1月2日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第48回 世界侵略:ロサンゼルス決戦

第48回「世界侵略:ロサンゼルス決戦」

最近流行りの、宇宙人に侵略される系の映画で、「スカイライン」や「クローバーフィールド」のように、一人称視点かつ、物語の進行が、ほぼリアルタイムだ。
ただ、それらパニック映画と違って、本作は海兵隊の、いち小隊の視点で語られる真っ当な戦争映画となっていて、印象としては「ブラックホークダウン」によく似ている。

「ブラック?」は敵民兵をエイリアンのように描いているが、本作は逆にエイリアンを普通に戦略性を持った兵士のように描いている。デザイン的にはブリキの兵隊といった感じで、絶望的な強さを持っている訳でもなく、なんじゃこりゃ感があまり無い。
宇宙人侵略映画と言えば、どこかバカバカしさや、趣味全開のグロテスク描写が付き物だけど、本作は「ヒャッハー!」とは盛り上がれない真面目さがあって、そこが特徴的に感じた。 
作品の根底には、海兵隊への敬意や憧れがあって、それが作品の真面目さに繋がっているのだと思う。
ダメ兵士が暴走して、滑稽な死に方をするといったシニカルな描写は無く、特に後半戦死する兵士は、概ねドラマチックで英雄的な最期を迎える。
戦場のリアリティとは、中途半端な場面でのゴミのような犬死にこそあると思うので、こういうドラマ性は、ドキュメンタリーチックな演出の中で、良くも悪くも少し浮いているように見えた。
しかし、「海兵隊がひたすらカッコイイ映画」と割り切って臨めば、ストレートに感動できるし、特にラストシーンの彼らの姿は、まさに英雄そのもので、気が付いたら「俺も海兵隊に入隊して共に戦いたい!」と志願兵のような気持ちで、試写会場を後にしていた。
真面目に熱い戦場映画を楽しみたい人にはオススメの作品です。


●監督:ジョナサン・リーベスマン
●出演:アーロン・エッカート、ミシェル・ロドリゲス、ブリジット・モイナハンほか。
●上映時間:116分
●配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

【イントロダクション】
あの「ロサンゼルスの戦い」から69年後、遂に“彼ら”が地球に上陸する日がやってきた。大量の流星群と思われる未知の物体が世界中に降り注ぎ、正体不明の何者かが海岸に出現、猛攻撃を受け各都市が崩壊する中、ロサンゼルスも瞬く間に壊滅寸前に追い込まれる。残されたわずか10名の海兵隊員たちは激しい市街戦で仲間を失い、退路も失う中、果たして彼らは、そして人類は生き残れるのか!?

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