2019年12月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第142回 チャイルド・プレイ

第142回「チャイルド・プレイ」

1988年に公開された『チャイルド・プレイ』は、今観ても全く色あせてない傑作だ。犯罪者の魂が人形に宿るという設定で、丸焦げになりながら襲ってくる人形版ターミネーターのようなしぶとさに、ひたすら興奮した。リメイク版である本作に、オカルト的な設定はない。全てはA.I.の暴走として描かれている。持ち主であるアンディの親友になるべくプログラミングされたチャッキー。共に生活しながら学習し、アンディと親密な関係を築こうとしていく。しかしA.I.が微妙に狂っていて、徐々に恐ろしい展開に……。ルームメイトのストーキングに悩まされるサイコスリラー作品と言えばわかりやすいかもしれない。

この映画を観て自分が語りたいことは、一点しかない。「顔」だ。チャッキーの顔がすごい。怖いとか不気味とか、一言では言い表せない独特の顔をしている。オリジナルのチャッキーも個性的な顔をしていたのだけど、子供らしさとか人形らしさがベースにあって、ある意味親しみやすかった。今回のチャッキーは、人形らしくもあり人間らしくもあり、子供のようにも見えるし、なぜだかオジさんのようにも、オバさんのようにも見える。それでいて、どこかで見た特定の誰かを模したようなディテールをしている。大きな目、弓なりの力強い眉、かすかに割れているしっかりした顎、笑うと少ししゃくれて頬の肉がグイっと持ち上がる。素の顔でも表情を作っているような嘘くささがある。髪は毛量がやたら多く、気持ち悪い長さの長髪だ。こういう独特の顔をした人間から、少しズレた感性で一方的な好意を示されるのは恐怖しかない。しかし自分も特にさわやかな見た目をしているわけじゃないし、感性もズレてそうだから、若干チャッキーに感情移入して悲しくなってしまった。
顔以外の内容は、スマート家電のようなIoT技術で襲ってくるのが現代的だとか色々あるかもしれないが、いい意味で顔の印象がすごい映画だ。
ちなみに他人の感想が気になって調べてみたが、顔についてあれこれ言ってるのは僕だけだった。

●監督:ラース・クレヴバーグ ●脚本:タイラー・バートン・スミス
●出演:オーブリー・プラザ、ガブリエル・ベイトマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー 
●声の出演:マーク・ハミル ●上映時間:90分 ●配給:東和ピクチャーズ

【イントロダクション】
引っ越しをして友達がいない少年アンディは、誕生日に音声認識やセンサー付きカメラ、高解像度画像認識などの機能が付いた高性能な「バディ人形」を母親からプレゼントされる。自らを「チャッキー」と名乗る人形だが、実は欠陥品だと判明。的外れな受け答えに最初はあきれるアンディだが、「君が一番の親友だよ」と話すチャッキーに次第に夢中になってゆく。その後、“彼”が豹変することなど知らずに――。

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