2019年11月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第141回 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

第141回「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

ハリウッド版ゴジラと言えば、長らくエメリッヒ版『GODZILLA』の「これゴジラじゃない、トカゲだ」っていうイメージだったのが、あれから約20年…。こんな大予算でゴジラへの愛に満ちた本気の怪獣対決映画が観られるようになるなんて、やはりレジェンダリー・ピクチャーズすごい、そして未だ強い影響力を持つオリジナル『ゴジラ』すごいと、素直に感動した。
ゴジラ映画は、ホラータッチで大人な雰囲気の第一作と、後の怪獣同士のバトル路線とでは毛色が違っている。
今作は、一部初代を意識した展開もあるが、基本的には怪獣対決映画だ。エンタメとして見せるべきものを、これでもかと見せつけてくれる。前半からもったいぶらずに大迫力のガチ対決が繰り広げられ、「え、いいんですか?」の連続だった。

人間側のメインプロットはイマイチ感情移入しにくい家族ドラマで、そこは不満があるものの、そんなモヤモヤは怪獣たちがぶっ壊してくれる。怪獣という神々の戦いを、洗練されたカメラワークと絵作りで見せ、オリジナルへの敬意を込めた音楽が盛り上げる。怪獣たちの破壊神っぷりも終末的で凄まじい。ギドラが翼から四方八方に放電するカットは、黙示録的で印象深かったし、ラドンが上空を翔けると人々が風で飛ばされてしまう描写も良かった。怪獣災害を大自然の驚異のようにちゃんと見せている。モスラもやたら輝いていて神々しい。そして何よりゴジラの存在感が圧倒的だ。「ゴジラ映画の主役はゴジラだ!」という確固たる信念が、スクリーンから伝わってきた。
来年はキングコングとゴジラが対決する。モンスターバースとして今後もシリーズが作られていくことを期待しているのだけど、こういうポジションの映画を観ていると、「オレは面白いけど元々のファンは怒ってないか?」とか、逆に「ファンは大興奮だろうけど、ヒットはしてくれるのか?(次作は作られるのか?)」とか、関係者でもないのに余計なことを考えてしまう。

●監督:マイケル・ドハティ ●脚本:マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
●出演:カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、サリー・ホーキンス、
渡辺謙、チャン・ツィイー 他 ●上映時間:2時間12分 ●配給:東宝

【イントロダクション】
舞台は前作「GODZILLA ゴジラ」から5年後。ゴジラは地球を守ろうとしていたのではないかff特務機関モナークの芹沢博士はそう信じていたが、都市を破壊した事実は残り、政府内ではゴジラ殲滅を唱える動きもあった。そんな中、武装テロ集団がモナークを急襲し、開発中のあるテクノロジーを強奪する。一味の目的は南極の氷の下に眠っていた大怪獣キングギドラを呼び起こすことだった。キングギドラの覚醒と同時に、世界各地で伝説の怪獣達が次々に目を醒まし、地球が危機を迎える中、ゴジラが再び姿を現す…。

PAGE TOP