2019年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第134回 ボヘミアン・ラプソディ

第134回「ボヘミアン・ラプソディ」

『ウィ・ウィル・ロック・ユー』がヒットした年に僕は生まれた。世代的に言えば、クイーンはリアルタイムでは全くない。詳しくもない。にもかかわらず、いつの時代もクイーンの曲はどこからか聴こえてきたし、聴いてきた。去年は『ハードコア』というハチャメチャバイオレンス映画の劇中に『ドント・ストップ・ミー・ナウ 』が流れ、観終わった後もしばらくノリノリで、歌詞はさっぱりだが口ずさんでいた。そんな程度のにわかクイーン好きの自分が見ても、本作は大感動の一作だった。
複雑な生い立ち、見た目のコンプレックス、ストレートでないセクシャリティ、色んな面で苦悩を抱えたフレディの生き様と、クイーンというバンドが伝説的に成功していく過程が、数々の名曲とともに描かれる。

前半、特に印象的だったのは、バンドの蜜月時代、合宿しながら『ボヘミアン・ラプソディ』をレコーディングするシーンだ。革新的な音楽に挑戦する高揚感、レコード会社とのケンカ、青春感に満ち溢れていてグッと来る。その後の『ウィ・ウィル・ロック・ユー』の制作過程も気持ちが良い。彼らの曲を一曲一曲改めて聴き直したくなった。
クイーンは一大スターとなり快進撃を続けるも、フレディはメンバーと対立しバンドを離れ、婚約者とも別れる。信頼してたマネージャーに裏切られ、みるみるどん底に。深まっていくフレディの孤独や弱さ、そして…。
映画のクライマックスは、絆を取り戻したクイーンが出演する20世紀最大の音楽イベント「ライヴ・エイド」。完全再現した21分間にも渡るパフォーマンスシーンは圧巻で、ライヴ・エイドの客席と映画館の客席が一体になったような興奮を覚えた。
ミュージシャンの伝記映画は、好きな曲がいつ流れるのかワクワクしながら観るのも楽しい。ちなみに自分は帰宅中『ドント・ストップ・ミー・ナウ 』をノリノリで口ずさんでいた。相変わらず歌詞はさっぱり覚えられてませんが。

●監督:ブライアン・シンガー
●出演:ラミ・マレック、ジョー・マッゼロ、ベン・ハーディ、グウィリム・リー、ルーシー・ボイントン 他
●上映時間:2時間15分 ●配給:20世紀フォックス映画

【イントロダクション】
ワンフレーズを耳にすれば思わず心が躍りだす名曲で、世界中を魅了する伝説のバンド〈クイーン〉。そのリード・ヴォーカルにして、史上最高のエンターテイナーと讃えられたフレディ・マーキュリーの生き様を映し出すミュージック・エンターテイメント。世間の常識を打ち破る革新的な音楽を次々と生み出し、スターダムを一気に駆け上がったフレディと仲間たち。今なお語り継がれる劇的なパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らないストーリーがあった…。

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