2019年2月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第132回 スカイスクレイパー

第132回「スカイスクレイパー」

『GODZILLAゴジラ』『キングコング:髑髏島の巨神』『パシフィック・リム』『ジュラシック・ワールド』と、巨大なロボやら怪獣やら恐竜やらが大暴れする大作映画を作り続けているレジェンダリー・ピクチャーズ。この製作会社が素晴らしいのは、「こういうの出しとけばいいんだろ?」的な作り方ではなく、「こういう怪物を出す場合の最も理想的な見せ方はこれだ!」と、シナリオや映像において一切の妥協をしていないところだ。そんなレジェンダリーが、ドウェイン・ジョンソン主演で『ダイ・ハード』的なアクション映画を作ったというのだから、期待できないわけがない。

ザ・ロックことドウェイン主演の作品でいうと、大地震に見舞われたサンフランシスコでレスキュー隊員の親父が家族を助けに行く『カリフォルニア・ダウン』を思い出す。しかし『カリフォルニア~』は、映像は最高だが脚本が雑で、主人公がサラッと職場放棄してたりモヤモヤの残る一作だった。対して本作は、主人公ウィルのキャラクターがしっかり作りこまれていて、より感情移入しやすくなっている。ウィルは元FBI、過去の事件で心身ともに傷を負い、片足が義足だ。彼は決して超人ではない。テロリストに占拠され、燃え盛る高層ビルに取り残された家族を救うために、超人的がんばりを見せるのだ。義足の設定が本編で活かされまくりで、そこもキャラクター性が発揮されていて良かった。
舞台になっている、香港に建てられた全高1キロの夢のハイテクビル「ザ・パール」。龍と珠をモチーフにしたデザインが中二心をくすぐり、頂上部にある球形の展望室の設定も「最終ステージ」感があってワクワクする。映画の冒頭で、アイデア満載の巨大建築物(建造物)を紹介し、本編でぶっ壊すというプロットは、アクション映画ではよくあって、個人的には大好物だ。ちなみに名探偵コナンの劇場版はこのプロットがやたら多かったりするので、コナン好きのファミリー層にもおススメしたい作品だ。

●監督:ローソン・マーシャル・サーバー 
●出演:ドウェイン・ジョンソン、ネーヴ・キャンベル、パブロ・シュレイバー、チン・ハン 他
●上映時間:1時間42分 ●配給:東宝東和

【イントロダクション】
香港に新しく建造された、高さ1キロメートル、240階建ての世界最大のビル「ザ・パール」。元FBI人質救出部隊のリーダーのウィルは、ビルのセキュリティシステムを調査する仕事に就いていた。ある日、突如として大規模な火災が発生。高層階フロアが炎に包まれているのをウィルが発見するが、なぜか警察から事件の容疑者として指名手配されてしまう。真犯人の目的とは―?

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