2018年7月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第125回 グレイテスト・ショーマン

第125回「グレイテスト・ショーマン」

『ラ・ラ・ランド』の製作陣が贈る!という触れ込みに、「監督が同じならともかく、製作陣ね…」とやや冷ややかな眼差しを向けるも、上映開始直後いきなり心をつかまれた。華やかな衣装とド派手なサーカスの映像、大盛り上がりの楽曲、H・ジャックマンの圧倒的なショーマンっぷり、この作品がひとつのショーであることを宣言する激アツなオープニングだ。監督はミュージック・ビデオ出身で、次々と披露される歌とダンスは、どの曲も見応え聴き応え抜群。

舞台は、19世紀半ばのアメリカ。物語はバーナムという実在した興行師のサクセスストーリーだ。脚本は、お伽話のようにシンプルかつベタな展開で、あくまで歌とダンス中心のエンタメに徹している。興行の世界の暗部や登場人物の複雑な人間性等が描かれる重厚なドラマを期待している人には正直オススメできない。しかし笑顔で楽しむファミリームービーとしては、多くの人に激推ししたい。作品内でも、バーナムは自分の見世物を「芸術じゃない、観客を笑顔にさせたいんだ」と言っていて、ショーマンシップはテーマのひとつになっている。ロープを使った迫力のパフォーマンスや、オペラ歌手役のレベッカ・ファーガソンの歌唱力、ゴールデン・グローブ賞を受賞した「ディス・イズ・ミー」、どの曲もパワフルだ。個人的には、所々マイケル・ジャクソンを彷彿とさせる振り付けや演出があり、印象的だった。グレイテスト・ショーマンだったマイケルへのオマージュかもしれない(考え過ぎかもしれない)。
本作や『ラ・ラ・ランド』に限らず、『美女と野獣』、『SING/シング』、インド映画『バーフバリ 王の凱旋』と、ここ最近ミュージカルテイストの作品がヒットしていて、自分も大ハマりしている。映像配信サービスが台頭し、その対抗策として映画館を舞台やフェスのようにさせているのでは、とか言われているらしい。本作も、ショーを楽しむように、是非大スクリーンで観てほしいと思う。

●監督:マイケル・グレイシー
●出演:ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・エフロン、ゼンデイヤ他
●上映時間:1時間45分 ●配給:20世紀フォックス映画

【イントロダクション】
ヒュー・ジャックマン演じるバーナムは「ショービジネス」の概念を生み出した実在の人物。誰もがオンリー・ワンになれる場所をエンターテインメントの世界に創り出し、あらゆる人々の人生を勇気と希望で照らし出すために、幼馴染の妻チャリティの愛を心の糧に、仲間たちとの友情を原動力に、ひたむきにショーの成功を目指すバーナムだったが…。

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