2017年11月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第117回 パワーレンジャー

第117回「パワーレンジャー」

ジャパニーズコンテンツがハリウッド大作に!
…って流れも珍しくなくなった昨今ではあるものの、現代向けあるいは世界市場向けにどう再解釈されているのか気になって、この手の作品は何だかんだで毎度観てしまう。盛大に失敗している例もあり、昔は「大事な日本の作品が汚された!」とアイデンティティを傷つけられたような気持ちになったりもしたのだけど、最近は駄作を見せられても「ハリウッドが大資本を投下したところで、エッセンスをモノにすることはできなかったか…」と、よくわからない感情と立場で見守っている。

戦隊物といえば、世代的にサンバルカンとかデンジマンだ。記憶の彼方のぼんやりとしかイメージしかない。なので今作に関しては、ノスタルジックな体験になるのか、新鮮な体験になるのか、気持ち的に割と距離を置いた立場でワクワクしつつ観ることができた。
率直な感想を言えば、普通に楽しいファミリー映画だ。ドラマパートは、障害を持った黒人青年や貧困中国人や同性愛(を匂わせた)少女等が、落ちこぼれ主人公を中心に仲間として絆を深めていく青春劇。現代的かつシリアスめに作りこんでいて、無茶苦茶なキャラクターがいないせいか冗長に感じる部分もあった。
しかしアクションパートの、特に終盤の合体ロボで闘う辺りの映像はやはり見応えがあり、「かつて見たことがある感じのやつがハリウッド映画になっている…!」と、いつものようにグッと来てしまった。自分の知っているものが違う解釈ですごい映像になっているのを目撃するのは、不思議な夢を見ているようで楽しい。トランスフォーマーシリーズの中二的スタイリッシュさとは全然違う、良い意味でのダサさ、優等生っぽさが作品全体を覆っていて、世間にウケているのか多少不安になるものの、個人的にはそこにノスタルジーを刺激されて心地よかった。
アクションパートが時間配分的に少ないとか、色々惜しいと思ってしまったのだけど、続編があればやはり観てみたい。

●監督:ディーン・イズラライト
●出演:デイカー・モンゴメリー/ナオミ・スコット/RJ・サイラー/ベッキー・G/ルディ・リン 他
●上映時間:
●配給:東映

【イントロダクション】
小さな町・エンジェル・グローブに、普通に暮らす5人の若者たちがいた。ありふれた日々を過ごす彼らは、偶然にも同じ時間・同じ場所で不思議なコインを手にし、超人的なパワーを与えられる。自分たちの力に困惑する彼らの前に現れたのは、かつて世界を守っていた5人の戦士=“パワーレンジャー”の一人・ゾードンと、機械生命体・アルファ5。古代の地球で封印された悪の戦士=リタ・レパルサが蘇り、 再び世界を滅ぼそうとしていること、そして彼ら5人はその脅威に立ち向かうべくコインに選ばれた、新たな“パワーレンジャー”であることが明かされる。しかし、自らの運命を受け入れられない彼らは、まだその秘めたる力を解放できずにいた。地球に残された時間はあとわずか。果たして彼ら普通の高校生に、この世界を救うことができるのか? 世界が、そして仲間たちが危機にさらされた時、ついに“その力”が目覚める。

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