2017年1月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第107回 ペット

第107回「ペット」

ミニオンズのスタッフによる新作。ミニオンズの短編もあると聞きファンとしては観ておかなくてはと試写に駆けつけた。ミニオンズは相変わらずのミニオンズだ。延々見続けられる。そして本編の『ペット』。「飼い主がいない時間、ペットは何をしてるか」ってお題の大喜利のように、テンポよく小ネタが続く。動物それぞれのキャラを活かしたドタバタだけど、どれも楽しい。

主人公のテリア系雑種犬マックスは、新しく家にやってきた毛むくじゃらの巨大犬デュークと折り合いが悪い。二匹はケンカしてる内に見知らぬ路地に迷い込み、保健所の職員に野良犬として捕まってしまい、そこから物語が動き出す。
最初は『トムとジェリー』的な屋内ドタバタコメディーかと思っていたけど、冒険が始まり、マックスとデュークの関係や、ペットたちの飼い主に対する愛情から『トイ・ストーリー』を思い出した。
人間を憎む野良集団を率いる、ウサギのスノーボールや、いなくなったマックスを探すペット仲間たち。とにかくたくさんの個性的な動物たちが出てきて飽きさせない。
ストーリーは王道で、最近のディズニー/ピクサーと比べると良くも悪くも保守的。自分はひねくれ者だからか、作品全体に「動物たちは飼い主の元に帰ることが絶対的幸福である」という主張が漂っているように感じて、幸福の形の多様性が叫ばれる昨今珍しいと思った(ネタバレだから詳しく書けないが、スノーボールのラストに違和感を覚えた)。観客の子供たちが、保護者の知らない所で大冒険して帰ってくるペットに自分を重ねて観るから、飼い主のいない動物の幸福は家族映画として描けなかったのかもしれない。
観賞したのは吹き替え版。バナナマン設楽の声は、慣れるまでどうしても本人の顔が浮かんでしまいそれが邪魔だったけど、日村は最初からデュークのキャラと一致していた。
夏休み映画として、老若男女が楽しめる優等生的エンターテイメント作品だ。

hitokoma104

●監督:クリス・ルノー、ヤーロウ・チェイニー
●声の出演:設楽統(バナナマン)、日村勇紀(バナナマン)、佐藤栞里 ほか
●上映時間:91分 ●配給・宣伝:東宝東和

【イントロダクション】
物語の舞台はニューヨーク。テリア混ざりの雑種犬マックスは、大好きな飼い主ケイティと不自由ない生活を送っていた。しかし、ケイティが毛むくじゃらの大型犬デュークを保健所から連れて帰って来た瞬間からマックスの生活は一変!お互いに自分が優位に立とうとライバル視する2匹だったが、ある日思わぬトラブルに巻き込まれ、町の中で迷子になってしまう…。やがて2匹はニューヨークの地下水道にたどり着くが、そこには、ウサギのスノーボール率いる、飼い主に捨てられ、心にキズを負ったペットたちが集まっていた。果たして彼らの目的とは!?マックスたちは、ケイティが帰宅するまでに家に帰ることができるのか!?

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