施川ユウキ映画コラムー全ての映画は、ながしかく

2016年9月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第103回 ボーダーライン

第103回「ボーダーライン」

自分がメキシコ麻薬カルテルの恐ろしさを意識したきっかけは、数年前ニュースサイトで目にした凄惨な処刑画像だった。何が起こっているんだと、色々検索してみたものの、当時は今ひとつピンとこなかった。同じ頃アメリカで『ブレイキング・バッド』が始まり、以降メキシコ麻薬カルテルを扱った映画やドラマが幾つも作られ、今はフォローしきれないくらいに増えている。
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2016年8月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第102回 アーロと少年

第102回「アーロと少年」

「もし隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅しなかったら?」という仮説から生まれた、スケールのでかい歴史改変ストーリー。
恐竜だけが言葉と文明(農耕・牧畜)を持つ世界。主人公はアパトサウルスの少年アーロ。事故で父を失い、川に流され、地元から遠くはなれ一人ぼっちになってしまった彼は、一人の人間の子供(スポット)と出会う。そして友情を育みながら故郷を目指し旅をする。王道のビルドゥングスロマンだ。
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2016年7月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第101回 ヘイトフル・エイト

第101回「ヘイトフル・エイト」

タランティーノ監督の最新作は、雪山のロッジを舞台にした密室ミステリー。「吹雪の山荘もの」と呼ばれるいわゆるクローズドサークルだ。タランティーノの過去作で言えば『レザボア・ドッグス』が一番近い。
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2016年6月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」祝100回 オデッセイ

祝100回「オデッセイ」

火星にひとり取り残された宇宙飛行士が、不毛の惑星でサバイバルする。原作はウェブで発表されていたSF小説。人気のあまり書籍化され、瞬く間に巨匠リドリー・スコット監督の手で映像化されてしまったという製作過程がすでに奇跡のような物語だ。
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2016年5月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第99回 白鯨との闘い

第99回「白鯨との闘い」

「名著『白鯨』の元になった実話を映画化!」と聞き、「あの小説、実話を元にしてたのか」と驚かされたのだけど、実際自分は未読だったりする。正確に言うと、手に取って序盤で挫折してしまった。分厚い『白鯨』を今更読むのは気が進まないが、別角度でアプローチできるいい機会だと思い、試写に臨むことにした。
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2016年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第98回 007 スペクター

第98回「007 スペクター」

今年はスパイ映画が豊作だ。『M:I5』、『キングスマン』、この先公開を控える『コードネーム U.N.C.L.E.』、スパイ・アクション風の『ワイルドスピード/スカイミッション』もある。そんな中での007最新作。老舗中の老舗とはいえスパイ物は若干食傷気味で、前作までの復習を怠って試写会に臨み、結果激しく後悔することになった。本作は、ダニエル版ボンドの集大成的作品だ。たとえ過去三作を未見でも混乱することはないが、がっつり堪能するためには最低限『スカイフォール』だけでも観ておくことをオススメしたい。
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2016年3月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第97回 グリーン・インフェルノ

第97回「グリーン・インフェルノ」

リア充大学生が未開の地で悲惨な目に遭う、残酷描写満載のスプラッタームービー。鬼才イーライ・ロス監督が食人族モノを撮るという、好きな人には堪らない組み合わせだ。
ジャングルに暮らす部族を開発工事から救おうと活動する学生グループが、その守ろうとした原住民たちに捕われ喰われていくという、情け容赦ないストーリー。学生たちはいわゆる意識高い系と呼ばれるような、いけ好かないタイプだ。近年流行っている「SNSで世界を変えよう」的な行動は実際は大した力を持たず、彼らの自己満足にしかなっていない場合が多いらしい。この映画は、中心的プロットでそういう風潮を皮肉っている。
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2016年2月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第96回 ドローン・オブ・ウォー

第96回「ドローン・オブ・ウォー」

ドローンを運用する現代の戦争を、事実を元に描いた衝撃的な映画。
主人公はラスベガス近郊の空軍基地に勤務する空軍所属のパイロット。空調の効いた小さなコンテナ内で無人機を遠隔操作し、一万キロ離れたアフガンにいるタリバンを空爆している。遥か上空から地上を見下ろすドローンのカメラは、ひとりの標的を神の目のように映し出し、ボタンひとつで天罰を与えるように爆撃する。女性や子供を含む民間人を巻き込んで。やむを得ない犠牲らしい。爆撃後、バラバラになった死体を成果として数える。そして仕事が終わると自宅へ帰り、週末はご近所と家族ぐるみでバーベキューを楽しむ。ちなみに勤務中彼らはパイロットとして飛行服を着用する。ただのコスプレのようだ。
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2016年1月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第95回 ピクセル

第95回「ピクセル」

予告を最初に見た時から「何だこりゃ!?」と、釘付けになった異色過ぎる地球侵略物。80年代の人気ゲームキャラが、ドット絵のニュアンスのまま立体化&巨大化して攻めてくる。試写会の帰り道に「……夢?」と思い返してしまうような、摩訶不思議な映像体験だった。
モチーフになっているビデオゲームだけでなく、作品全体のノリがレトロだ。最近のアクション映画のようにカメラを執拗にぐるぐる回したりしないし、カチャカチャ目まぐるしく切り替えたりもしない。3Dで観ている観客への負担が少ないため、3D苦手な自分にとっては理想的だった。基本的には脳天気なアクションコメディなので、シナリオに急な鬱展開もなく、疲れず楽しめるファミリームービーに仕上がっている。
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2015年12月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第94回 ナイトクローラー

第94回「ナイトクローラー」

建設現場で盗んだ金網を鉄くず屋に売る底辺のこそ泥だった主人公が、事件や事故のスクープ映像を狙うパパラッチに転身する物語。監督は本作で長編監督デビューのダン・ギルロイ。
前評判の高い作品だったけど、実際すさまじい映画だった。主役ルイスを演じたジェイク・ギレンホールの鬼気迫る演技が神がかっている。役作りに12キロ減量したらしく、ガリガリの飢えたハイエナのような姿で、スクープを求め夜の街を走り回る。最初ダメ人間の話かと思ったら全然違っていた。カメラを手にしてからは、向上心むき出しで、欲しいショットのために被害者宅へ不法侵入したり、死体の位置を勝手に動かしたり、モラル無視で突き進んでいく。
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