施川ユウキ映画コラムー全ての映画は、ながしかく

2019年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第134回 ボヘミアン・ラプソディ

第134回「ボヘミアン・ラプソディ」

『ウィ・ウィル・ロック・ユー』がヒットした年に僕は生まれた。世代的に言えば、クイーンはリアルタイムでは全くない。詳しくもない。にもかかわらず、いつの時代もクイーンの曲はどこからか聴こえてきたし、聴いてきた。去年は『ハードコア』というハチャメチャバイオレンス映画の劇中に『ドント・ストップ・ミー・ナウ 』が流れ、観終わった後もしばらくノリノリで、歌詞はさっぱりだが口ずさんでいた。そんな程度のにわかクイーン好きの自分が見ても、本作は大感動の一作だった。
複雑な生い立ち、見た目のコンプレックス、ストレートでないセクシャリティ、色んな面で苦悩を抱えたフレディの生き様と、クイーンというバンドが伝説的に成功していく過程が、数々の名曲とともに描かれる。
» 続きを見る

2019年3月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第133回 アンダー・ザ・シルバーレイク

第133回「アンダー・ザ・シルバーレイク」

世界的ヒットした『イット・フォローズ』。ホラー映画であり、青春映画であり、純粋一途な恋愛映画の傑作だ。一昨年に自分が観た映画の中で、一番に挙げて良いくらい好きな作品だったりする。そんなデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の新作が、今回の『アンダー・ザ・シルバーレイク』だ。
前作のような、わかりやすくエモい話を期待していくと完全に肩透かしを食らう。不穏で意味深で難解で、作家性の強いカルト的作品になっている。
» 続きを見る

2019年2月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第132回 スカイスクレイパー

第132回「スカイスクレイパー」

『GODZILLAゴジラ』『キングコング:髑髏島の巨神』『パシフィック・リム』『ジュラシック・ワールド』と、巨大なロボやら怪獣やら恐竜やらが大暴れする大作映画を作り続けているレジェンダリー・ピクチャーズ。この製作会社が素晴らしいのは、「こういうの出しとけばいいんだろ?」的な作り方ではなく、「こういう怪物を出す場合の最も理想的な見せ方はこれだ!」と、シナリオや映像において一切の妥協をしていないところだ。そんなレジェンダリーが、ドウェイン・ジョンソン主演で『ダイ・ハード』的なアクション映画を作ったというのだから、期待できないわけがない。
» 続きを見る

2019年1月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第131回 エンジェル、見えない恋人

第131回「エンジェル、見えない恋人」

透明人間を題材にした作品といえば、エログロ暴力映画の巨匠ポール・バーホーベン監督作『インビジブル』のような面白ホラーをイメージしてしまうのだけど、本作は真逆と言ってもいい位繊細で一途なラブストーリーだ。
透明人間の少年エンジェルと盲目の少女マドレーヌが出会い、互いに恋に落ちる。自分が透明であることを告げられないまま時は経ち、ある日彼女が視力を取り戻す手術を受けることになり…。物語はシンプルで登場人物も少ない。基本的には、メイン二人とエンジェルの母親の3人だけだ。ほとんどのシーンがエンジェルの主観ショット。本作のCGは必要最低限に抑えられている。低予算ながらも技術とセンスでチープにならずに、足跡やシーツのふくらみ等、オーソドックスな演出で透明人間の存在を上手く表現している。
» 続きを見る

2018年12月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第130回 未来のミライ

第130回「未来のミライ」

青空、入道雲、空を飛ぶ制服姿の少女。既視感たっぷりのポスターに、「時かけと似たような話か」「同じようなの作られてもな」と、ある意味期待値下げての鑑賞だったのだけど、全然違った。完全にミスリードを誘うポスターだ。細田監督のどの作品にも似ていないし、ほとんど初めて目にするような不思議な映画だった。
主人公は4歳の男の子、くんちゃん。妹が生まれ、以前のように親の愛を独り占めできない。イライラしながら中庭に出ると、不思議な世界に迷い込み…。
» 続きを見る

2018年11月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第129回 バトル・オブ・ザ・セクシーズ

第129回「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」

女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスが、1973年に実際に闘った男VS女の試合を映画化したのが、本作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』だ。タイトルから、エロティックな映画を想像してしまいそうだけど、セクシーズは性差という意味らしい。性差別という深刻になりがちなテーマを、コメディタッチで軽やかに描いていて、去年話題になった、NASAの女性スタッフを描いた『ドリーム』を彷彿とさせられる。
» 続きを見る

2018年10月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第128回 ファントム・スレッド

第128回「ファントム・スレッド」

舞台は1950年代のロンドン。天才的なドレスの仕立て屋レイノルズは、ある日ウェイトレスのアルマと出会い、その場でデートに誘う。オシャレなレストランでディナー中、「僕は亡くなった母親の髪の毛をいつも上着に縫い付けてある」と衝撃的な発言をさらりとするレイノルズ。アルマは部屋に連れ込まれ、濡れ場が始まると思いきや、なぜか体を採寸される。そして突然彼の姉が現れ、そのまま住み込みのモデルとして採用されることになる。美しい映像に魅了されつつも、サスペンスなのかロマンスなのかブラックコメディなのか困惑させられる、不思議な映画だ。
» 続きを見る

2018年9月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第127回 レディ・プレイヤー 1

第127回「レディ・プレイヤー 1」

ここ数年のスピルバーグ映画は史実ものが多く、近々のフィクション作品と言えば『B.F.G』という気味の悪い巨人爺がアタフタする自己言及的な怪作で、ハッキリ言って万人にススメられるものではなかった。今作も、一部オタク向けの趣味的な作品になってるのではと若干不安を抱いていたのだけど、それは全くの杞憂だった。本作は、ド直球の王道エンタメで、現代性があり、全世代に向けられている。
» 続きを見る

2018年8月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第126回 君の名前で僕を呼んで

第126回「君の名前で僕を呼んで」

17歳の少年エリオと、父が招いた大学院生のオリヴァー。北イタリアの避暑地を舞台に、美男子ふたりのひと夏の恋物語。同性愛を扱った作品ではあるものの、異性愛者である自分でも強く共感できたし、役者だけでなく風景の美しさや、ゆったりとした時間の流れに、いつまでも浸っていたくなるような作品だった。
» 続きを見る

2018年7月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第125回 グレイテスト・ショーマン

第125回「グレイテスト・ショーマン」

『ラ・ラ・ランド』の製作陣が贈る!という触れ込みに、「監督が同じならともかく、製作陣ね…」とやや冷ややかな眼差しを向けるも、上映開始直後いきなり心をつかまれた。華やかな衣装とド派手なサーカスの映像、大盛り上がりの楽曲、H・ジャックマンの圧倒的なショーマンっぷり、この作品がひとつのショーであることを宣言する激アツなオープニングだ。監督はミュージック・ビデオ出身で、次々と披露される歌とダンスは、どの曲も見応え聴き応え抜群。
» 続きを見る

PAGE TOP