施川ユウキ映画コラムー全ての映画は、ながしかく

2018年12月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第130回 未来のミライ

第130回「未来のミライ」

青空、入道雲、空を飛ぶ制服姿の少女。既視感たっぷりのポスターに、「時かけと似たような話か」「同じようなの作られてもな」と、ある意味期待値下げての鑑賞だったのだけど、全然違った。完全にミスリードを誘うポスターだ。細田監督のどの作品にも似ていないし、ほとんど初めて目にするような不思議な映画だった。
主人公は4歳の男の子、くんちゃん。妹が生まれ、以前のように親の愛を独り占めできない。イライラしながら中庭に出ると、不思議な世界に迷い込み…。
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2018年11月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第129回 バトル・オブ・ザ・セクシーズ

第129回「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」

女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスが、1973年に実際に闘った男VS女の試合を映画化したのが、本作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』だ。タイトルから、エロティックな映画を想像してしまいそうだけど、セクシーズは性差という意味らしい。性差別という深刻になりがちなテーマを、コメディタッチで軽やかに描いていて、去年話題になった、NASAの女性スタッフを描いた『ドリーム』を彷彿とさせられる。
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2018年10月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第128回 ファントム・スレッド

第128回「ファントム・スレッド」

舞台は1950年代のロンドン。天才的なドレスの仕立て屋レイノルズは、ある日ウェイトレスのアルマと出会い、その場でデートに誘う。オシャレなレストランでディナー中、「僕は亡くなった母親の髪の毛をいつも上着に縫い付けてある」と衝撃的な発言をさらりとするレイノルズ。アルマは部屋に連れ込まれ、濡れ場が始まると思いきや、なぜか体を採寸される。そして突然彼の姉が現れ、そのまま住み込みのモデルとして採用されることになる。美しい映像に魅了されつつも、サスペンスなのかロマンスなのかブラックコメディなのか困惑させられる、不思議な映画だ。
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2018年9月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第127回 レディ・プレイヤー 1

第127回「レディ・プレイヤー 1」

ここ数年のスピルバーグ映画は史実ものが多く、近々のフィクション作品と言えば『B.F.G』という気味の悪い巨人爺がアタフタする自己言及的な怪作で、ハッキリ言って万人にススメられるものではなかった。今作も、一部オタク向けの趣味的な作品になってるのではと若干不安を抱いていたのだけど、それは全くの杞憂だった。本作は、ド直球の王道エンタメで、現代性があり、全世代に向けられている。
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2018年8月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第126回 君の名前で僕を呼んで

第126回「君の名前で僕を呼んで」

17歳の少年エリオと、父が招いた大学院生のオリヴァー。北イタリアの避暑地を舞台に、美男子ふたりのひと夏の恋物語。同性愛を扱った作品ではあるものの、異性愛者である自分でも強く共感できたし、役者だけでなく風景の美しさや、ゆったりとした時間の流れに、いつまでも浸っていたくなるような作品だった。
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2018年7月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第125回 グレイテスト・ショーマン

第125回「グレイテスト・ショーマン」

『ラ・ラ・ランド』の製作陣が贈る!という触れ込みに、「監督が同じならともかく、製作陣ね…」とやや冷ややかな眼差しを向けるも、上映開始直後いきなり心をつかまれた。華やかな衣装とド派手なサーカスの映像、大盛り上がりの楽曲、H・ジャックマンの圧倒的なショーマンっぷり、この作品がひとつのショーであることを宣言する激アツなオープニングだ。監督はミュージック・ビデオ出身で、次々と披露される歌とダンスは、どの曲も見応え聴き応え抜群。
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2018年6月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第124回 RAW〜少女のめざめ〜

第124回「RAW〜少女のめざめ〜」

過保護に育てられたベジタリアンの少女ジュスティーヌが、飛び級で全寮制の獣医大学に入学し、様々な通過儀礼を経て自分に目覚めていく青春映画。目覚めるのが猟奇的欲望を持った自分なので、恐怖と不安と痛々しさにグッタリさせられる、直球のホラー映画にもなっている。若手女性監督らしい瑞々しさと類まれなる尖ったセンスに、すっかり圧倒されてしまった。
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2018年5月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第123回 シェイプ・オブ・ウォーター

第123回「シェイプ・オブ・ウォーター」

舞台は冷戦下のアメリカ。極秘研究所に運び込まれた半魚人と、彼の虜になったアラフォー掃除婦イライザの、異種間恋愛ストーリー。イライザは子供の頃のトラウマで口を利くことができず、半魚人もまた喋らない。二人の間に言葉は要らない的な美しさと、同時にグロテスクさもあわせ持つ、衝撃的な作品だった。
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2018年4月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第122回 ブレードランナー2049

第122回「ブレードランナー2049」

僕は世代的に、『ブレードランナー』の影響下にある作品をたくさん目にした後で、確認作業のようにブレランを観ている。原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は大好きだけど、映画自体に強い思い入れはない。「なるほど、これがアレの元ネタなのか!」ぐらいの印象だ。映画史に残る傑作の続編とは言われているが、自分的にはある意味フラットな気持ちで、本作『ブレードランナー2049』を鑑賞した。
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2018年3月1日 [施川ユウキ映画コラム]

施川ユウキ映画コラム「全ての映画は、ながしかく」第121回 ザ・サークル

第121回「ザ・サークル」

行き過ぎたSNS社会に警鐘を鳴らす近未来SF!…という前情報から、過剰に発達した管理社会の恐怖を描くディストピア映画かと思いきや、印象が少し違った。今すでに起こっている現実を、半歩進めて淡々と語っている。
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